これは70年代の彼らが好きな人なら無条件で楽しいコンサート映画です。昔の姿も少し出るところが懐かしく、2010年の姿もカッコいいです。歌も演奏も選曲も文句なし。

ピーター・バラカン
(ブロードキャスター/音楽評論家)

ふたりだからこその『celebratory感』が生まれた
レコード店から James Taylor のセカンド・アルバム『Sweet Baby James』を抱えて、急いで家に帰っていたのは、もうずいぶん昔のことだ。バスの中で待ちきれず、ビニールのパッキングを破いて、早く実物のジャケット触れたくてたまらなかったのを覚えている。翌年に出た、Carole King の『Tapestry』も、でも全く同じことをした。
レコード盤が擦り切れて、スクラッチの音が目立つほど、この2枚は長い間、僕の定番だった。どちらも若者たちの内面を歌い、曲自体がシンプル。それでいて、時代の雑音をすっと切り裂く美しい曲が詰まっていた。学校では本当に誰も彼もが『Tapestry』と『Sweet Baby James』を持っていた。メタル一筋の連中でさえ例外ではなかった。僕はのちにジェイムス・テイラーのライブを新宿の 厚生年金会館 で観ることができたが、キャロル・キングを生で観る機会は一度もなかった。だからこの映画で、ようやく観客の前に立つ彼女のマジックを目にすることができた。
そしてこの二人――言うまでもなく最高の親友同士――のパフォーマンスは、僕の期待をはるかに超えていた。あの美しい曲たちから、これほどの愛と「楽しさ」があふれ出すとは思っていなかった。内向きではなく、むしろお祝いのパーティ。そんなふうに響いてきた。

ジョージ・カックル
(ラジオDJ/音楽プロデューサー)

本作の副題「ジャスト・コール・アウト・マイ・ネーム」はキャロル・キング作<君の友だち>の一節で、「私の名を呼んでくれるだけで」あなたの所に駆けつけるよ、の文脈で歌われる。1970年、トルバドールでサウンドチェック中に、未発表だったこの曲をキャロルはピアノで弾き語りする。楽屋前のバルコニーで演奏を耳にしたジェイムス・テイラーは、世紀の名曲であることを確信し、ギターでカヴァーしたい想いにかられる。寛大にもキャロルが快諾し、この仲の良い友だちそれぞれのヴァージョンが誕生した。それから40年後のトルバドール・リユニオン・ツアーでは、さらなるサプライズがジェイムスを待っていた。<君の友だち>は、本作でも演奏されるジェイムスの曲<ファイアー・アンド・レイン>の一節「友だちが見つからず 孤独な時を過ごしたこともある」に心を動かされて書いた曲だと、キャロルが告白したのだ。
1968年、アップル・レコードから出すデビュー・アルバムを完成させた夜、幼馴染みが地下鉄に飛び込み自殺したと、ジェイムスは友人たちから知らされる。ビートルズ帝国に加わり異国で奮闘するジェイムスを気遣って、アルバム完成まで自殺の事実は伏せられていた。アメリカに戻ったジェイムスは、薬物中毒のリハビリ施設で入院中に、親友の自殺に加えてドラッグによる自身の苦悩を盛り込み<ファイアー・アンド・レイン>を書いた。正直な感情を表に出すのは辛かったが、誰かに悩みを打ち明けた時のように、曲により心が癒されたと彼は語っている。そのレコーディングにピアノで参加したキャロルは<君の友だち>を書き、ジェイムスに「この曲があなたの友だちになる」と言ったそう。半世紀以上の時を経て、<ファイアー・アンド・レイン>も<君の友だち>も、世界中の人の友だちであり続ける。人々の気持ちに寄り添い続ける名曲の数々と、二人の友情を祝いに、映画館を訪れたい。

朝日順子
(洋楽歌詞解説家)

INTRODUCTION - イントロダクション

初共演映像から再結成コンサートまで・・・
インタビューを交え、二人の半世紀を描いた
壮大なコンサート・ドキュメンタリー

キャロル・キング&ジェイムス・テイラー
ジャスト・コール・アウト・マイ・ネーム

1958年に16歳という若さでデビューし、現在に至るまで17枚のソロ・アルバムをリリース。現在もその多くがスタンダード曲として世界中の多くの歌手に親しまれ、20年以上にわたって女性アーティストによるチャート1位の記録を保持した、シンガー・ソングライターの代表、キャロル・キング。レコード販売数は世界中で7,500万枚を超え、グラミー賞を4回受賞し〈ソングライターの殿堂(songwriters hall of fame)〉および〈ロックンロールの殿堂(rock & roll hall of fame)〉入りを果たす。そしてアメリカのミュージック・シーンのトップ・シンガー・ソングライターとしてデビュー以来強い支持を獲得し、ローリング・ストーン誌〈歴史上最も偉大な100人のシンガー〉や〈歴史上最も偉大な100組のアーティスト〉への選出、またキャロルと同様に〈ロックンロールの殿堂(rock & roll hall of fame)〉入りを果たしているジェイムス・テイラー。本作は、50年来の友人であり、同世代で最も影響力のあるシンガー・ソングライターと称される二人の初共演から再結成コンサートまでを、数々のインタビューを交えながら振り返る壮大なドキュメンタリー作品だ。

【 Members / メンバー 】
キャロル・キング(vo, p, g)
ジェームス・テイラー(vo, g)
ダニー・コーチマー(g)
ラス・カンケル(ds)
リーランド・スカラー(b)

【 TRACKLIST /トラックリスト 】

Opening
ナチュラル・ウーマン
(You Make Me Feel Like) A Natural Woman

1. 彼女の言葉のやさしい響き
Something In The Way She Moves

2. ソー・ファー・アウェイ
So Far Away

3. 思い出のキャロライナ
Carolina In My Mind

4. カントリー・ロード
Country Road

5. スマックウォーター・ジャック
Smackwater Jack

6. 地の果てまでも
Where You Lead

7. きみの笑顔
Your Smiling Face

8. ビューティフル
Beautiful

9. イナフ・トゥ・ビー・オン・ユア・ウェイ> 愛の恵みを
Enough To Be On Your Way > Shower The People

10. ウェイ・オーヴァー・ヨンダー
Way Over Yonder

11. スウィート・ベイビー・ジェイムス
Sweet Baby James

12. アップ・オン・ザ・ルーフ
Up On The Roof

13. イッツ・トゥー・レイト
It's Too Late

14. ファイア・アンド・レイン
Fire And Rain

15. アイ・フィール・ジ・アース・ムーヴ
I Feel The Earth Move

16. きみの友だち
You've Got A Friend

17. 君の愛に包まれて
How Sweet It Is (To Be Loved By You)

18. 目を閉じてごらん
You Can Close Your Eyes

Ending
あこがれのメキシコ
Mexico

TRAILER - 予告映像

HIGHLIGHTS - 見どころ

1970年、キャロルはジェイムスを自身のバンドに誘い、ロサンゼルスの老舗コンサート会場“トルバドール”で二人は初共演を果たす。2007年にはトルバドール開業50周年記念コンサートとして、36年ぶりとなる同会場での共演コンサートを行い、さらに2010年には〈トルバドール・リユニオン・ツアー〉と題して、世界各地のアリーナで公演を行った。
この作品ではキャロルとジェイムスの友情、音楽的コラボレーションの始まりからリユニオン・ツアーに至るまでの過程を、初共演のアーカイブ映像や当時のコンサート映像、秘蔵の写真と共に振り返っていく。

そして前述の3つのコンサートでキャロルとジェイムスのバックを務め、その堅実なプレイでしっかりと脇を支える職人肌のダニー・コーチマー(g)、ジャクソン・ブラウン/ジョニ・ミッチェル/リンダ・ロンシュタット/カーリー・サイモン等のレコーディングに数多く参加し1970年代で最も有名なセッション・ミュージシャンとして知られるラス・カンケル(ds)、AORからジャズ/フュージョンまで幅広いジャンルをこなすリーランド・スカラー(b)といった名セッション・ミュージシャンたちの証言をはじめ、伝説的プロデューサー/マネージャーとして1960年代からジェイムス・テイラーを支えたピーター・アッシャー(『ザ・ビートルズ A to Z アルファベットでたどる音楽世界』著)など、当時の関係者へのインタビューを通じて展開されていく様々なエピソードも必見。

監督は、2020年にビー・ジーズのオフィシャル・ドキュメンタリー〈ビー・ジーズ 栄光の軌跡(原題:the bee gees: how can you mend a broken heart)〉を手がけ好評を博した名プロデューサー、フランク・マーシャル。マーシャルは声明の中で「私は生涯にわたって2人の音楽を聴き、演奏してきましたので、この非常に才能豊かな2人の友人による特別なリユニオン・コンサートを(映画に)まとめることができたことは、私にとって特に意義深いことであり、とても光栄なことです」と述べている。

HIGHLIGHTS - 見どころ

東京
YEBISU GARDEN CINEMA/2月20日〜
新宿ピカデリー/2月20日〜2月26日
TOHOシネマズ日本橋/2月20日〜2月26日
アップリンク吉祥寺/2月20日〜
神奈川
ムービル/2月20日〜2月26日
大阪
TOHOシネマズなんば/2月20日〜2月26日
京都
アップリンク京都/2月20日〜
兵庫
kino cinema神戸国際/2月20日〜2月26日
宮城
MOVIX仙台/2月20日〜2月26日
北海道
札幌シネマフロンティア/2月20日〜2月26日
静岡
静岡東宝会館/2月20日〜
広島
MOVIX広島駅/2月20日〜2月26日
福岡
KBCシネマ/2月20日〜2月26日
愛知
センチュリーシネマ/2月27日〜3月12日
長野
シアター千石劇場/3月6日〜3月19日